
単なるミニマリスト本ではない「ぜんぶ、すてれば」の紹介【すぐ読めます】

今回は中野善壽の著書「ぜんぶ、すてれば」を紹介します。
私は「ぜんぶ、すてれば」を読んだ結果、ライフハック術ばかりに目がいきがちだったいま、テクニックではなく「感性」も大切であることを学びました。
この本はこんな人におススメ!- 自分がどうあるべきか悩んでいる人
- 自分が何をなせるのか迷っている人
- 軽やかに生きていく方法を知りたい人
今回は、タイトルとは裏腹に「読んでも捨てず、また時が経ったら読みたい!」と思える大事な1冊となった本「ぜんぶ、すてれば」を紹介していきます。

それでは、さっそく見ていきましょう!
【正直に言います】この本が何の本なのか分からず手に取りました

本書を紹介する前に、この本との出会いの部分を書いていきます。
私は本を手に取る前に「得たい知識」を明らかにし、試し読みで目次を見て「学べることが多い」と判断した本だけ購入しつつ、さらにその本の中から読みたい部分だけを読んでいます。
でも、この本に限っては、パッと目に入ったタイトル「ぜんぶ、すてれば」に惹かれ、目次も概要説明も読まず、気付いたら手に取っていました。

いわゆる直感的な「ジャケ買い」ってやつですね。
手に取ったはいいものの、事前情報がなく、勉強不足のため中野さんのことも知りません。
こんな不安が浮かんできます。
- 何が書かれている本なんだろう…単なるミニマリスト本かな?
- そもそも著者の中野善壽さんって何者なの…?
そう思いながらも最初のページをめくると、驚かされました。
目次がないんです。
そして、冒頭から急に“何も、必要ありません。ぜんぶ、捨てればいいんですよ。”と書かれ、唐突に著者「中野善壽」さんが紹介されます。
中野善壽(なかのよしひさ)、75歳。伊勢丹、鈴屋で新規事業の立ち上げと海外進出を成功させる。その後、台湾へ渡り、大手財閥企業で経営者として活躍。2011年、寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOに就任。大規模な改革を実施し、老舗の大企業を機動力溢れる組織へと変貌させた。その手腕と独自の考え方、そして人柄により、各界の著名人に慕われている。一方で、メディアにはほとんど姿を現さず、社員にさえ、本当に実在するのか疑われていた、異端の人物。
その生き方の根幹にあるのは「何も持たない」こと。家や車、時計は持たない。お酒もタバコも嗜まない。お金も若い頃から、生活に必要な分を除いてすべて寄付している。何も持たないからこそ、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができる。

経営者として凄腕なのにメディアへの露出がほとんどない人…。生き様も破天荒っぽく、冒頭から興味津々になりました。
こんな風に驚かされながらも冒頭から読み始めると、一気に「中野さんワールド」へ導かれてしまい、気付けば夢中になり、あっという間に読み切ってしまいました。
私が感じた中野さんワールドの特徴- とても見やすい、読みやすいレイアウト
- やさしくシンプルな言葉
- でも、どこか心に引っかかる言葉のチョイス

中野さんの破天荒な生き方は、あこがれるとはちょっと違うのですが、とても魅力的なんです。
大切なことは今日を生きることである。「ぜんぶ、すてれば」の紹介

では、ここから「ぜんぶ、すてれば」の紹介となります。
まずはじめに、本書から学べる大切なことを3つに絞って紹介します。
本書から学べる大切なこと3つ- 今日がすべて
- ぜんぶ、すてる
- やめる勇気

これ以外にも学べることは書かれていますが、ネタバレになってしまうので、今回はこの3つに絞って紹介しますね!
今日がすべて
中野さんの人生観で、もっとも大きな軸になっている考え方です。
- 情報過多で多くが気になってしまう時代、「今に集中すること」が難しくなっている
- でも、夢中になって楽しめるのは今しかない
- そもそも明日が死ぬかもしれない
今日やれることは今日のうち、いや今すぐやる。
思いついた順になんでもすぐやれば、後悔することはありませんよね。

ニュースアプリやSNSで不要な情報ばかり集めて、時間を浪費していませんか?「いま」しかできないことってたくさんありますよ!
ぜんぶ、すてる
モノを持つことは、不安を増やすことにもなるんです。
- 家をすてる(持たない)
- 人が家を買う理由の多くは「ここにいつでも戻って暮らすことができる」という安心感を得るから。逆に言えば「ここにいつまでも縛られる」ということ。近年頻発する自然災害により、家や土地は一瞬で奪われるかもしれない。そんな不安が増えるだけである。
- 思い出をすてる
- 思い出は確かにいいものだけど、それにしがみついてはいけない。過去を守ろうとすると、それは前例となり、それ以降は前例と似たことをしたくなる。前例がないと動けなくなってしまう。前例は未来を縛ってしまうならば、思い出も捨てた方がいい。
- 予定をすてる
- 分刻みのぎっしり詰まったスケジュールだと重要な情報が入ってこない。アイデアのひらめきは、バラバラに入ってきた情報が思わぬ組合せで結びついたときである。ひらめきのための余白をつくるべき。

「捨てちゃいけないものなんてない」という気持ちで、すべての「あたり前」を疑ってみてはいかがでしょうか。
やめる勇気
車がアクセルをベタ踏み、バイクがフルスロットルだと危険であるのと同じで、人間も「進む」と「止まる」をバランスよく使い分けないといけないんです。
若いうちは「なんでもやってみなさい」と言われるけど、進みっぱなしというのもよくない。「あれ?」と思ったら立ち止まり、「これ以上進んだら危険だ」と察したら、迷わずブレーキを踏む。
始める勇気と同じくらい、やめる勇気も大事です。

「がんばり過ぎている」と気付いたその時が“やめどき”です。
「ぜんぶ、すてれば」を読んだ感想

ずばり、本書を読んだ感想としてはこの2点です。
- 単なるミニマリスト本ではなかった
- 中野さんの人生観が詰まった1冊である

ジャケ買いしても、こういう思いがけない学びがあるから、読書はやめられない!
ミニマリスト本ではなかった
パッと飛び込んできた本のタイトルからは「ミニマリスト本かな」と思って読み始めましたが、いい意味で裏切られました。
「ぜんぶ、すてれば」という本質は、「いま」に集中して夢中で人生を楽しむ手段でしかないんです。
その妨げになるものは「ぜんぶ捨てよう」という、ミニマリストとは大きく一線を画す、スケールの大きな話が書かれていました。
中野さんの人生観が詰まった1冊である
ページに余白が多くてすっきりしており、あっという間に読めてしまう本書ですが、やさしく短い言葉の中に、ギュッと中野さんの生き様や価値観が詰まっています。
ムダをそぎ落とし、シンプルだけど力強い、まさに中野さんを体現した本になっていました。

日本の経営者の中でも“破格”の存在と言われる中野さんの人生観を、たった1冊でサクッと学べるなんてコスパ良すぎです。
まとめ:「ぜんぶ、すてれば」は感性を大切にすべきと気付かされる本
今回は中野善壽の著書「ぜんぶ、すてれば」を紹介しました。
本書を読むと、細かな仕事の流儀や作法、テクニックよりも感性をとても大切にしていることがわかります。
いかに作業を簡単かつ効率よく行うかというライフハック術ばかりに目がいきがちないま。
まさに、一度「ぜんぶ、すてて」素直な心で本書を読むと、自分にとっての優先すべきこと、大切なことが見えてくるでしょう。

とは言え、中野さんの流儀にしたがっても、この本を読み終えたら捨てるなんてできませんけどね!
今回の記事はここまでです。
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