HSPへの愛情がつまった本「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」
皆さんは「HSP」という言葉を知っていますか?
Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)
とても敏感な人、繊細な心の持ち主である人
30代半ばになってはじめて知ったこの言葉とその意味。
調べていくと「自分の妻や上司もHSPなのかな?」と感じる点がいくつかあったので、HSPのことをもっと深く知りたい―そう思っていたところ、この本「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」に出会いました。
下で紹介するHSP診断テストの結果、私自身はHSPでは無かったため、この本を「自分の周りにHSPがいる人」の立場として読みました。
今回は、「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」の紹介と本を読んで私が感じたことを語っていきます。
ぜひ、最後まで読んでください(^^)/
こちらのサイトでは無料でHSP診断テストが受けられます。約48項目の質問に答えていくだけで、自分のHSPの度合いを知ることができます。5分くらいで終わる診断テストなので、興味のある人はぜひやってみてください。
なお、この自己診断テストは本書の巻頭でも紹介されていますが、このような注意事項が書かれていますので必ず一読してください。
- このテストは完全ではないと思っておいてください。
- テスト結果がその人の性質をすべて十分に表すわけではありません。包括しきれていない面がたくさんあるはずです。
- テストを受けた日の気分によって結果は変わってきます。
- このテストは、あくまで、自分の敏感さを知るためのヒントであり、それ以上には受け止めないでください。
「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」の紹介
はじめに伝えておきたい事として、これ以降に書かれることは「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」から抜粋した内容になります。いずれも私個人の意見・見解ではありませんので、ご理解ください。
はじめに:著者イルセ・サンの紹介
まずは著者の紹介です。著者イルセ・サンも自らHSP気質であることを告白しています。
イルセ・サン(Ilse Sand)
心理療法士。デンマークのオーフス大学で神学を学び、C・G・ユングとキルケゴールに関する修士論文を執筆。また、いくつかの心理療法的アプローチの訓練を受けており、デンマークの心理療法協会の会員でもある。数年間、デンマーク国教会の教区司祭を務め、現在はスーパーバイザー、トレーナー、講演者、セラピストとして活動している。
HSPは決して病気ではない。
世の中の5人に1人がHSP(とても敏感な人)と言われています。
そして、私が思う最も大切なことが本書の冒頭に書かれていたため、強調して書きます。
HSPは、決して病気ではありません。
HSPとは病気や障害ではなく産まれ持った気質・特性のため、治療することはできず(そもそも治療という概念が違う)、後天的に努力で変えられるものでもありません。
HSPという概念は、アメリカの精神分析医で学者のエレイン・アーロンによって、1996年に提唱されたもので、人を男性と女性というように性別で2つに分けるように、とても敏感なタイプ(HSP)と、タフなタイプの2つに分けただけのことです(ちなみにこれは人間のみに当てはまる話ではありません。ほかの高等動物も同じです)。
ココがいちばん大切なことです!
HSPは不当に低い評価を受けている。
本書では、「とても敏感」という事でこのような不当な評価を受けてきたと書かれています。
- 抑圧されている(願望や欲望を無理やり抑えている)
- 心配性(ネガティブハート)
- 恥ずかしがり屋(シャイ)
- 神経症(ストレスからくる心の病気)
人格を言い表す方法を確立したのは、恐らく外向的でタフな人たちでしょう。この指標では内向的な人や敏感な人によく見られる“豊かな内面世界”や“深く物事を考える力がある”といった長所が見落とされてしまっています(※HSPのなかにも外向的な人は30%ほどいるとされていますが、その特徴は、内向的な人と一致している部分も多くあります)
今の社会では「外向的」でタフな人(いわゆる体育会系で超効率化・即断即決の適性がある人)の方が、社会的に価値があるとみなされる傾向はありますよね。
HSPが持つ愛すべき7つの能力
「敏感な人」は適切な環境下だと、そうではない人たちよりも、その環境を楽しめるということが研究で裏付けられており、本の中では以下「7つの能力」があると書かれています。
「敏感な人」が持つ愛すべき7つの能力
- 一度に多くの情報を吸収できる
- 音やにおいなどの微細な違いも察知できる
- ゆっくり、深く多角的に考えられる
- とても慎重で、危機管理能力が高い
- 共感力が高く、気配り上手
- 誠実で、責任感がある
- 想像力が豊で内的生活が充実している
HSPが抱えやすい4つの心の問題
その一方で「敏感な人」が抱えやすい心の問題として、大きく4つ取り上げられています。
「敏感な人」が抱えやすい4つの心の問題
- 自分自身に高度な要求をしてしまう
- 罪悪感と羞恥心にもがき苦しんでしまう
- 恐怖心を感じ、心が沈んではればれとしない
- 怒りをうまく放出できない
表面的にはHSPに見えない人もいる。
「敏感な人」のイメージとは大きく異なり、一見すると「敏感な人」ではないように思える2タイプも紹介されています。
- 外向的なHSP
- HSPの70%が内向的、30%が外向的と言われており、ディープな内的世界を持つと同時に社会的な外向性をも兼ね備え、大勢のグループでいる方が心地よいと感じる。一見強みに思えるが、HSPであると同時に外向的であるのは、自分の限界以上に社交的であろうとするため、フラストレーションが大きくて大変。
- 刺激を求めるHSP
- 同じことの繰り返しに飽きてしまい、ルーティンワークが続くと退屈を感じてしまい、何か行動すると、そのせいで刺激を過度に受けてしまう。過度に刺激を受けやすいにも関わらず、新たな刺激を求めて疲弊してしまい、自分を責めつつも刺激を求めるのがやめられない。
多くの内向的なHSPに加えて上記2タイプが紹介されていますが、その一方で、「敏感な人」が特定のタイプに100%当てはまることはなく、100人いれば100通りのタイプ分けが必要になるとも書かれています。
本書では、ここまでに紹介した以外に「敏感な人」に向けて以下2つの内容も具体的に書かれています。
- 「鈍感な人たち」とうまく付合う方法
- 「敏感な自分」とうまく付合う方法
繊細さんのことをもっと深く知ることができますよ!
「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」を読んで感じたこと。
私がこの本を読み、心に深く思ったことはこの3つでした。
- 産まれ持った気質・特性で人を判断してはいけない
- すべての人が大切で価値があり尊敬すべき
- どんな人に対しても「共感」して寄り添うべき
このうち「共感すること」…つまり、相手に対して「わたしも同じ気持ちだ」と同意(同調)するのではなく、「相手の関心事」に関心をよせることが最も大切だと私は思います。
以上、カンタンに書けばこのようなことが大切と言えるでしょう。
自分とは違う相手を心から受け入れる
これが実現できれば、家族、友達、仕事仲間、お客様、そして自分も含めた多くの人がささやかな幸せを感じられるはずだと信じています。
今回紹介した本の著者イルセ・サンは自らがHSP気質であることを認めつつ、このような素晴らしい本を執筆されましたが、私のフォロワーさんの中にもHSP気質を認めつつ、ありのままを公開している素敵な方たちがいます。
「じんにい」さん(@__jin21)が運営されているブログ「2KYOTEN」では、「HSP・繊細さんにおすすめの個人ブログ」が紹介されています。「2KYOTEN」はもちろんのこと、記事内で紹介されている方たちのブログは、どれも素晴らしい内容になっていますので、ぜひ参考にしてください(^^)
「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」は多くの人に読んでほしい
今回は『HSPへの愛情がつまった本「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」』と題して、本の紹介とこの本を読んで私が感じたことを書きました。
敏感・繊細すぎて生きにくさを感じている人はもちろんですが、そうじゃない人もこの本を手に取り、「人は多種多様である」ことをぜひ学んでほしいのです。
そして、自分とは違う相手を心から受け入れるようになり、何気ない日常に幸せを感じられるようになると素敵ですよね。
今回の記事はここまでです。
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